エックスサーバー~謎の動作速度~

国内サーバーとして人気の高いエックスサーバーなのだが、nginxを導入して概ね1年前後になる。導入当初は、なぜか安定しない動作速度も、現在はだいぶ安定してきたのだが、これでも、同社が提供しているwpX(レンタルサーバー型/クラウド型)には到底及ばない速度なのである。

現在提供されているCache

  • OPCache (php7.0 , php7.2 , php7.3 with OPCache)
  • nginx テンポラリーCache (ユーザーCacheではない)
  • アクセラレーターX ver.1
  • アクセラレーターX ver.2(phpのCacheが有効)
  • ブラウザーCache(クライアントサイドのCache)
  • サーバーCache(エックスサーバー独自のnginx Cache制御と考えられる)
  • mod_pagespeed(php 旧バージョンに対応)

以上のようなCacheが準備され、高速化が図られている。(…ハズである)
このような一連の動作環境は、wpXがWordPressに特化されたサーバーであるとはいえ、構成としてはそれほど大きな差はないハズで、エックスサーバー X10~X30シリーズは、既に、wpXに迫るスピードを実現していなくてはならない。

実のところどうなのか

感覚的な部分も含めて、筆者の主観的なものであるので、客観性にかける判断ではあるが、wpXとX10を比較した限りでは、wpXの半分以下の速度でしかなく、せっかく高性能化したサーバースペックが活かしきれていないという印象である。ab responsで平均 毎秒10ページ前後の速度なので決して速くない。
nginx導入直後は、大きな期待を寄せていたのだが、開けてびっくりな平均 毎秒5ページ前後とひどい有様であった。現在は、それほど酷い状況ではなくなったが、サーバーcacheを入れたり、WP-Super Cacheを導入したりして、やっと、毎秒20ページに到達できるレベルのチューニングである。
サーバーキャッシュは一定の時間ごとに更新されるので、一回目のアクセスを行った直後は、概ね毎秒50ページに達するが、、しばらくアクセスがないと、すぐに速度が低下してしまう。

汎用性とディスク容量をとるか、スピードを優先するか

汎用性を優先したX10サーバーは、ストレージ容量が200GBと類稀に大きく、ストレージ用途にも十分使える容量とWordPress以外のプログラムが動作可能である点がメリットとなるべきだが、wpXのように、汎用性を犠牲にして、ストレージ容量も、10GB以下(woXクラウド)を採用して速度を向上させるかの選択肢となり、実質的に、速度と汎用性、ストレージ容量が排他的に犠牲になる。

鳴り物入りで登場したwpX Speed

そんなわけで、ストレージ容量をSSD 200GBまで容量アップして、高速化したwpXのリリースまで追い込まれた背景には、上記に述べたユーザーサイドの要求が多くあったのだと推定できる。
wpX Speedは現在選択できる最善の方法であることには、異論はないが、設定価格が、1200円となっており、X10シリーズよりも高価な金額設定になってしまった。従量課金(2円/h)が採用されているとはいえ、継続的に利用する限り、それほどのメリットではなく、むしろ、初期費用がなくなった分のしわ寄せが、本体価格に反映された形になっている。

実際のスピードは、閲覧する環境にもよるが、サーバー間通信でApache benchを叩いた限りでは、同社の社長のブログの表示スピードは、Cacheアクセス時(ab -c10 -n10 https://x-blog.jp/)で毎秒2500ページ、単一アクセス時(ab -c1 -n10 https://x-blog.jp/)で毎秒350ページなので、高速化を施していない一般的なサーバーの16倍以上の速度が出ていることになる。
おそらく、一般的なユーザーにはほぼ無縁なスピードではなかろうか。むしろ、エックスサーバー X10~X30シリーズとの落差が甚だしく、失速の原因は、ディスクIO周辺とデータベースのアクセシビリティ周辺にあると言っているようなものである。

採用すべきか否か

トータル的に見て、かなりのスペックを堅持し、今回採用された「NVMe」が威力を発揮し、ほぼ爆速と言って良い速度に仕上がっているので、おそらくX10サーバーのユーザーの相当数は、wpXに流れると見ていると考えれれるが、ディスク容量を200GBに向上させつつ、WordPressに特化したサーバーであり、ターミナルオペレーションができない点は、X10サーバーから無条件にwpXサーバーへ移行するのは難しい。

やはり、X10サーバーの上位互換としての位置づけが好ましいのではないだろうか。