実際のスピードはどうなのか
さくらのVPSプランがリニューアルされたが、このプランにおける最大のメリットは、サーバーレスポンスが高まった点にある。今回は前回に引き続き、その速度や使用感をテストしてみた。
前回の記事の中でも触れたが、プランごとに、SSDを選ぶかHDDを選ぶかの2つの選択肢がある。
さて、旧プランとの速度差はどうなっているのだろうか。 まずは、そこそこのスピードを確認するために、スーパーπとffmpegを走行させ、速度チェックを行なってみた。
【スーパーπ 100万桁の結果】 さくら2G旧プラン :16.1秒 さくら1G HDD新プラン :13.7秒 さくら512M SSD 新プラン :10.5秒 【ffmpegによる変換 → mp4をflvへ同一ファイルを変換】 さくら2G旧プラン frame=52049 fps=274 q=31.0 Lsize= 105773kB time=1736.70 bitrate= 498.9kbits/s video:90352kB audio:13568kB global headers:0kB muxing overhead 1.782506% さくら1G HDD新プラン frame=52049 fps=302 q=31.0 Lsize= 105773kB time=1736.70 bitrate= 498.9kbits/s video:90352kB audio:13568kB global headers:0kB muxing overhead 1.782506% さくら512 SSD 新プラン frame=52049 fps=404 q=31.0 Lsize= 105773kB time=1736.70 bitrate= 498.9kbits/s video:90352kB audio:13568kB global headers:0kB muxing overhead 1.782506%
といった感じで、さくら v4 HDD 1Gの結果がふるわない。 2-coreである分、トータル的にはもちろん速いのであろうが、仮想モデルの他、ホストマシンのスペックも若干異なっており残念な結果となった。 中でも、さくら512 SSDとさくら2G旧プランのffmpegの結果では、244fps → 404fpsと1.5倍ほどの差があった。
Virtualマシンなのでcpuinfoの結果は当てにはならないが参考までに各々のプランのcpuinfoのダンプの抜粋を記載しておく。
【CPUINFO】 さくら2G旧プラン :3コア Westmere E56xx/L56xx/X56xx(Nhalem-C) 2400MHz Cache:4MB 4800MIPS さくら1G HDD新プラン(1) :2コア Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2640 2500MHz Cache:1.5MB 5000MIPS さくら1G HDD新プラン(2) :2コア Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2640 2500MHz Cache 1.5MB 5000MIPS さくら512M SSD 新プラン :1コア Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2650 2600MHz Cache:2MB 5200MIPS さくら2G SSD 新プラン :3コア Intal(R) Xeon(R) CPU E5-2650 2600MHz Caxhe:2MB 5200MIPS ※サポートへ聞いてみたところ、SSDとHDDでは、マシンは同じで変わらないとの事だったので、青字の部分をもう一つ 契約して確かめてみたのだが、回答と異なり、スペックは違っており、SSDのほうが200MIPSほど速い。 ひつこく、スーパーπを測定した結果、HDDは、14秒、SSDは10秒であった。
と明らかな差がある。(青字は確認のために追加で契約して測定た結果である) 性能面では、さくらの旧プラン2G(HDD)はCacheSizeが4MBのモデルではあるが、これまで使ってきた印象では、さくらのVPS新プランのv4 SSD 512Mに負けており、なんとなくキビキビ感がないマシンになってしまっている。
時流に合わせて、性能向上が見込めるわけだが、旧プランと新プランでは、ある程度の性能差を覚悟しなくてはならないことと、新プランでも、SSD対応プランを選ばないと、性能面でよろしくないといったところだ。 現在、最もリーズナブルなのは、v4 SSD 1Gあたりか、v4 SSD 512Mあたりではないかと思われる。 少し、コスト的に余裕があるのであれば、v4 SSD 2Gあたりがおすすめである。但し、ストレージ容量は激減してしまうので、それぞれの使い道を考慮しつつ、選択すべきという結論になる。
参考までに、Core2Duo E8500 3.16GHz Cache:6MB 搭載メモリー:6GB上に作ったKVM仮想環境での結果を併記しておく。
【仮想環境概要】 CPU-Core : 1-core MemoryModel : 1024MB HDD : 20GB CPUモデル : Intel Core 2 Duo P9xxx (Penryn Class Core 2) 3158MHz Cache:4MB 6317 MIPS 仮想OS : CentOS 6.5(Final) 【スーパーπ 100万桁】 KVM仮想サーバー(1コア 1G) : 11.7秒 【ffmpeg】 frame=52049 fps=341 q=31.0 Lsize= 105773kB time=1736.70 bitrate= 498.9kbits/s video:90352kB audio:13568kB global headers:0kB muxing overhead 1.782506%
これを先の結果と照らし合わせると、さくら HDD 1G新プランよりも速い結果となっている。 Hyper-Visor上にどのくらいのスライスが走行しているかによってもこの数値は多少変わるとは思うが、最低でもこのくらいのスピードで走行してほしいものである。 逆に言えば、Core2Duo 3GHz周辺のスペックが、現在のデファクトスタンダードとなっているようで、このスピードを基準に速いマシンと遅いマシンの分類が成り立っているようにも思う。
しかし、そこそこ速いつもり… と、思って運用してきたさくらVPS2G(旧プラン)ではあったのだが、3コアの恩恵はほとんど利用できていなかったのかもしれない。
同じくKVM仮想化を採用しているABLENET V0でも動作チェックをしてみた。
【仮想環境概要】 CPU-Core : 1-core MamoryModel : 512MB HDD : 50GB CPUモデル : QEMU Virtual CPU version 1.1.0 2000MHz Cache:512KB 4000 MIPS 仮想OS : CentOS 5.5(Final) 【ffmpeg】 frame=52049 fps=158 q=31.0 Lsize= 105773kB time=1736.70 bitrate= 498.9kbits/s video:90352kB audio:13568kB global headers:0kB muxing overhead 1.782506%
テストした中では最も遅い結果となった。 値段相応であるが、利用するメリットはKVMなので自由度が高く安価なサーバーであり、使い方を誤らなければ問題ないという良い例ではなかろうか。
いずれの場合においても、ただ単に、3コアだから、スペックが高いと思い込むのは些か性急であり、適宜にお試し契約をしながら、よく確かめた上で本契約すると良い。
むしろ、VPSを提供する側も、コア数や搭載メモリー、HDD領域などのストレージ容量の大小などの情報だけではなく、どの程度のスペックのマシンなのかを明記すべきで、今回のリニューアルプランは、過去の旧VPSプランと比べ、どの程度の性能向上が望めるかといった情報を開示すべきではなかろうか。
まあ、平たく言えば、使ってみてダメならばやめておく。と、いうことになるのかもしれないが、リニューアルされるたびに新規契約をしていたのでは時間と労力のムダとも言え、性能向上は嬉しいのだが、もう少し、流動的に新プランへ移行できる仕組みづくりが必要なのではないかと感じる。
Last Updated : 2019-05-20
さくらのVPSがリニューアル(その2)
実際のスピードはどうなのか
さくらのVPSプランがリニューアルされたが、このプランにおける最大のメリットは、サーバーレスポンスが高まった点にある。今回は前回に引き続き、その速度や使用感をテストしてみた。
前回の記事の中でも触れたが、プランごとに、SSDを選ぶかHDDを選ぶかの2つの選択肢がある。
さて、旧プランとの速度差はどうなっているのだろうか。
まずは、そこそこのスピードを確認するために、スーパーπとffmpegを走行させ、速度チェックを行なってみた。
といった感じで、さくら v4 HDD 1Gの結果がふるわない。
2-coreである分、トータル的にはもちろん速いのであろうが、仮想モデルの他、ホストマシンのスペックも若干異なっており残念な結果となった。
中でも、さくら512 SSDとさくら2G旧プランのffmpegの結果では、244fps → 404fpsと1.5倍ほどの差があった。
Virtualマシンなのでcpuinfoの結果は当てにはならないが参考までに各々のプランのcpuinfoのダンプの抜粋を記載しておく。
と明らかな差がある。(青字は確認のために追加で契約して測定た結果である)
性能面では、さくらの旧プラン2G(HDD)はCacheSizeが4MBのモデルではあるが、これまで使ってきた印象では、さくらのVPS新プランのv4 SSD 512Mに負けており、なんとなくキビキビ感がないマシンになってしまっている。
時流に合わせて、性能向上が見込めるわけだが、旧プランと新プランでは、ある程度の性能差を覚悟しなくてはならないことと、新プランでも、SSD対応プランを選ばないと、性能面でよろしくないといったところだ。
現在、最もリーズナブルなのは、v4 SSD 1Gあたりか、v4 SSD 512Mあたりではないかと思われる。
少し、コスト的に余裕があるのであれば、v4 SSD 2Gあたりがおすすめである。但し、ストレージ容量は激減してしまうので、それぞれの使い道を考慮しつつ、選択すべきという結論になる。
参考までに、Core2Duo E8500 3.16GHz Cache:6MB 搭載メモリー:6GB上に作ったKVM仮想環境での結果を併記しておく。
【仮想環境概要】 CPU-Core : 1-core MemoryModel : 1024MB HDD : 20GB CPUモデル : Intel Core 2 Duo P9xxx (Penryn Class Core 2) 3158MHz Cache:4MB 6317 MIPS 仮想OS : CentOS 6.5(Final) 【スーパーπ 100万桁】 KVM仮想サーバー(1コア 1G) : 11.7秒 【ffmpeg】 frame=52049 fps=341 q=31.0 Lsize= 105773kB time=1736.70 bitrate= 498.9kbits/s video:90352kB audio:13568kB global headers:0kB muxing overhead 1.782506%
これを先の結果と照らし合わせると、さくら HDD 1G新プランよりも速い結果となっている。
Hyper-Visor上にどのくらいのスライスが走行しているかによってもこの数値は多少変わるとは思うが、最低でもこのくらいのスピードで走行してほしいものである。
逆に言えば、Core2Duo 3GHz周辺のスペックが、現在のデファクトスタンダードとなっているようで、このスピードを基準に速いマシンと遅いマシンの分類が成り立っているようにも思う。
しかし、そこそこ速いつもり… と、思って運用してきたさくらVPS2G(旧プラン)ではあったのだが、3コアの恩恵はほとんど利用できていなかったのかもしれない。
同じくKVM仮想化を採用しているABLENET V0でも動作チェックをしてみた。
【仮想環境概要】 CPU-Core : 1-core MamoryModel : 512MB HDD : 50GB CPUモデル : QEMU Virtual CPU version 1.1.0 2000MHz Cache:512KB 4000 MIPS 仮想OS : CentOS 5.5(Final) 【ffmpeg】 frame=52049 fps=158 q=31.0 Lsize= 105773kB time=1736.70 bitrate= 498.9kbits/s video:90352kB audio:13568kB global headers:0kB muxing overhead 1.782506%
テストした中では最も遅い結果となった。
値段相応であるが、利用するメリットはKVMなので自由度が高く安価なサーバーであり、使い方を誤らなければ問題ないという良い例ではなかろうか。
いずれの場合においても、ただ単に、3コアだから、スペックが高いと思い込むのは些か性急であり、適宜にお試し契約をしながら、よく確かめた上で本契約すると良い。
むしろ、VPSを提供する側も、コア数や搭載メモリー、HDD領域などのストレージ容量の大小などの情報だけではなく、どの程度のスペックのマシンなのかを明記すべきで、今回のリニューアルプランは、過去の旧VPSプランと比べ、どの程度の性能向上が望めるかといった情報を開示すべきではなかろうか。
まあ、平たく言えば、使ってみてダメならばやめておく。と、いうことになるのかもしれないが、リニューアルされるたびに新規契約をしていたのでは時間と労力のムダとも言え、性能向上は嬉しいのだが、もう少し、流動的に新プランへ移行できる仕組みづくりが必要なのではないかと感じる。